ペンギンみたいな佇まい
そろそろシリアルにも飽きてきた。ただ毎朝食べるもので何も準備せず食べられて、栄養に気を遣ってる感を求めるとシリアルになってしまうのだよな。しょっぱいシリアルとかないのかしら。
仕事をしつつ、同居人を起こして昼飯を作る。豚肉と小松菜が残っていたので、豚肉は焼いてサラダの上にのせ、小松菜はおひたしに。
いつもはベーコンでやるのだが、カリカリのしょっぱい肉が生野菜に乗っているのが好きだ。ドレッシングはかけず、肉のしょっぱさと旨味で食べる。
皿が冷え切っていたので即脂が白くこびりついた。
おひたしを食べて、やはり小松菜と私は相性が悪いのだなと再確認する。小松菜の独特な香りが少し苦手なのだ。
ほうれん草より安いし、手軽に青物を加えられるものとして歩み寄りをしていたが、何に調理しても"いる"な……と感じてしまうし、シンプルなおひたしにしてもしっくりこないので、もうこれ以上の歩み寄りは難しいと判断した。
そもそも幼少の頃からほうれん草のおひたしは好きで、食卓にあがったおひたしを見て「ほうれん草だ!」と思って食べたら小松菜だったということが一度や二度ではなかったので、そういうショックから距離感ができたのだろうなと思う。
どれだけ仲良くても悪くても距離感次第なところはあるし、小松菜との関係性をきちんと認識できて良かったと思う。小松菜の事、嫌いになりたいわけじゃないから……。
あれからコーヒーメーカーに勢いづいた我々は、レンタルで始められるしとドルチェグストを注文したのである。
ペンギンみたいな佇まいでかわいい。隣にはトフィーのトースター。ここだけにわかにおしゃれキッチン。周囲は世界観が180度違う、物の溢れ様だが。
カプセルをセットしてスイッチを入れる工程がロボットを稼働させている気分になって楽しい。
しばらくはこの行為を楽しむためにコーヒーを飲むことになりそうだな。