クレアおばさんの気まぐれパスタ

 

ツバメがひゅいひゅいと滑空しているのを見るのが最近の朝の習慣だ。光合成していると右へ左へツバメが飛び交っていく。

 

じっと見ていると随分小さなツバメもやってきた。巣立ったばかりの仔ツバメか。ツバメの巣立ちの瞬間など見たことなかったから、人生で初めて小さきツバメを認識した。

まだスピードを制御できていない様子で急降下、急上昇、急方向転換を繰り返している。マルシルが呼んだ召喚獣ってこんな感じなんだろう。

 

パスタ欲が高まったので、昼飯は隣駅のカフェへ。カフェと言うには料理が充実しすぎている。

自転車で行こうと言っていた同居人は、外に出た瞬間気持ちの良い気候にあてられて、歩きにしようと意見を即変えていた。

 

今日のランチパスタ、エビとアボカドのやつしか無い……。アボカドがそこまで得意じゃないので断念する。ハンバーグと和定食で悩み、ハンバーグに気持ちが傾くが脳裏の誰かが「健康的な食事……」と囁くので和定食にした。

 

脳裏の誰かの希望通り、サラダや小鉢で野菜たっぷり、五穀米の健康的な食事。メインは筍とわかめと豚バラの柚子胡椒炒め。でっかいわかめが入っていて当たりだった。

 

粛々と仕事を進める。昼飯後諸々の買い物に出ていった同居人が終業時間になっても帰ってこないので連絡すると、漫喫で寝てしまってたと返事が来た。なんでやねん。

 

パスタ欲が収まらない私のリクエストで、夕飯は同居人が作ったトマトパスタ。というかミネストローネパスタ。ソースをぐっつらぐっつら煮込んで水分飛ばしていたので、コンロ周りが殺人現場のようになっていた。

ごろごろとした野菜が入っているパスタというのが、田舎のグランマが作ったごはんって感じがして良い。クレアおばさんの気まぐれパスタ。

 

自炊するとき凝った料理を作らないのと、洋食らしい洋食も作らないのでハーブに全く詳しくないのだが、トマトソースにオレガノを入れた瞬間イタリアンの匂いになって感動した。こんな些細なことで、らしくなるのか。

同居人に夕飯を作るよう頼んでから、我が家のハーブ類が充実してきている。