なんちゃって芝生を演出

 

 

トントン、トントン、と規則的な音が遠くから聞こえる。雨粒がどこかに落ちる音かしらと思ったが、雨はまだ降っていないようだ。

ゴミを出しに外に出てみると、向かいの公園を囲むように作業着姿の人が杭を打ち込んでいる音だった。公園が包囲されていっている。

 

はて、なんだろう。お昼を買いに行くときにじっくり見てみると、防塵を兼ねて公園一面クローバーとかの種を植えたから踏み込まないでねと書いてあった。クローバー!いままで雑草達がなんちゃって芝生を演出していたが、ついに。もしかして春になると花が咲くクローバー?楽しみだな。

 

公園の未来像に思いを馳せながらコンビニへ。何か忘れている気がしながら歩いて、丁度家とコンビニの中間くらいで気づいた。マスク忘れた!

マスク生活1年超、意外にも初めてマスク忘れて家出たわ。店に入る前で良かった。

 

窓にくっついているガガンボが揺れている。ガガンボのあの揺れは風を受けてなのかと思っていたのだが、こないだガガンボの近くを通ったらピタッと動きが止まったのを私は見た。自発的に動いているのかお前。

窓にくっついているガガンボを眺めながら、もう騙されないからなとテレパシーを送った。

 

仕事終わり、先週観た舞台へ再び。1回だけのキャスト全シャッフルする公演なのだ。

ジェットコースターのような公演、2回目で何かまた得るものはあるかしらと挑んだが、シャッフルされた配役のセンスに興奮しそれどころではなかった。

 

中身が入ってこないようで入ってくる。理解できないようで理解できている。終わった瞬間、最高!の文字しか頭に浮かばない。一体なんなのだこの劇団は。脳に直接働きかけているとしか思えない。